仮想戦国の世界合戦へ

2015年10月23日

顧みられないクエスト ~斎藤実盛編~

信長の野望オンラインは日本の戦国時代を舞台としたMMORPGである。そのため日本古来の伝承や妖怪、また史実などが織り交じってイベントやクエストと絡んでくる。

とうぜんアレンジされているわけだが、実際のエピソードもあり、少し歴史を齧った身としてはこれらのエピソードを見て回るのも一つの楽しみだ。


アップデートされるにつれ報酬が意味のないゴミになってしまったので、恐らくサーバでもやっている人はほぼいないこれらのクエストを見つけては、時々紹介したく思います。


 
加賀のとある大岩のそばに、夜だけ現れるNPCがいる。


彼の名は斎藤別当実盛。源平時代の武将だ。

 
元々源氏方の武将として名があったが、源頼朝や義経の父である、源義朝が平家に敗れてからは平家に仕えていた。

その後再び源氏が興り始め、源氏と平家の直接対決というべく富士川の戦いでは、平家首脳陣に予め戦いが敗北に終わることから撤退するよう進言していた。これは水鳥が一斉にとびたった音を軍勢の襲撃と勘違いして一戦もせず平家が逃げ出した、という逸話で有名。だが実際はこんな単純なものではなかったようだ。

その後木曾義仲の上洛を阻むべく、平家が北陸に大軍を送り込んだ際も、軍事の経験を買われて実盛も出陣。


元源氏の武将だったこともあり、また同じく元源氏で長年平家に仕えていた源頼政の裏切りという事態もあったことから陣中でも白眼視されていたが、老いの身を押して一歩も引かず戦い、戦死。70余歳の生涯を閉じた。

no3
ここでプレイヤーは斎藤からあるものを所望される。清水と炭だ。


no4


このクエストは彼が最後の出陣にあたり、髪を黒く染め戦いに臨んだ故実からとられている。


「最後こそ若々しく戦いたい」


wikipediaにはその心構えの理由が記載されているが、義仲に自分と知られないよう変装した、という説もある。

斎藤実盛は旧恩の為、義仲が幼い日、その命を救うため危険を冒して信濃の国まで送り届けたことがあった。もし義仲が自分と知ったら攻撃が緩むことを恐れたのか、これ以上元源氏の烙印を押されて生き続けるのをよしとしなかったのか。


彼がどんな気持ちで最後の戦いに臨んで髪を染めたのか、その心を知る人はもういない。


事実実盛の死を知った義仲は、命の恩人を討ち取ってしまったことを嘆き、人目も憚らず泣いたと伝えれている。



no6
是非その目で結末をみてほしい。きっとふーんとなること請け合いだ、ふーんて




彼と直接関りはないが、もう一つエピソードがある。(記憶が曖昧)


『平家物語』には「実盛最期」とする一章が設けられているが、その中で「昔の朱買臣(中国の偉い人)は、錦の袂を会稽山に翻し、今の斉藤別当実盛は、その名を北国の巷に揚ぐ...」という節がある。


源平時代から遥かな後年、上杉謙信が上洛の軍を北陸に進めた際、軍陣ながら酒宴にて兵の疲労を癒していた時、 「...名を北陸に揚げ...」という唄を謙信が聞きつけ


「正にいまこそ我らの名を北陸にあげるとき。皆々命を惜しむな 名こそ惜しけれ」

といって士気を高揚した、そんなエピソードでした。





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snow454 at 16:26│Comments(0)新規・復帰者向け 

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